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<太陽の女王号>ファンサイト

Brown

かけら​​​​

​<太陽の女王号>ファンサイトへようこそ!

​<太陽の女王号> シリーズをご存知でしょうか。

1972年から73年にかけて、早川書房から「大宇宙の墓場」「恐怖の疫病宇宙船」の2巻が邦訳出版された、アメリカの女流作家アンドレ・ノートンによるSF小説です。

実はこのシリーズは全部で7巻あります。

著者の意向としてはシリーズとして続けるはずだったのに、発行元が廃業してしまったため、本国アメリカでも4巻で中断されてしまいました。

しかし、第4巻から20数年を経た1993年、シリーズ5作目が刊行されたのを機に、’97年に6巻・7巻が続いて出版されました。
アメリカのアマゾン・コムには、初期シリーズを読んだ時にはティーンエイジャーだったという読者からのレビューが見られます。1巻の刊行から40年近くの時を経て続編が発表されたということを思うと、このシリーズには相当根強いファンがついているといえそうです。

 

このサイトは、2巻で止まってしまった邦訳版の続編を追い、主人公デイン・ソーソンとその仲間たちの旅を見届けるべく立ち上げました。
サイト名「BROWNのかけら」は<女王>号クルーの上衣(チュニック)の色にちなんだものです。
3巻以降が気になるというかたと思いを共有できれば幸いです。

2005年5月30日

​管理人: kiko

2023年2月28日更新

This website is written only in Japanese,but please take a look around.

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第1巻 「大宇宙の墓場」

早川書房発行 

​ハヤカワSF文庫 56

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第2巻 「恐怖の疫病宇宙船」

早川書房発行 

​ハヤカワSF文庫 89

​SOLAR QUEEN シリーズ 全7巻タイトル および刊行年度

​1.Sargasso of Space:1955   (大宇宙の墓場:1972)

2.Plague Ship :1956 (恐怖の疫病宇宙船:1973)
3.Voodoo  Planet:1959
4.Postmarked the Stars :1969
5.Redline  the Stars :1993
6.Derelict for Trade :1997
7.A Mind for Trade :1997

​▼著者:アンドレ・ノートン Andre  Norton

1912年-2005年。クリーブランド生まれ。
ペンネームは男性名ですが、本名はアリス・メアリー・ノートンという女性。<太陽の女王号>シリーズは、当初アンドリュー・ノースという別名義で発表されました。


18歳の時に処女作『レイルストーン・ラック』を書き、その後E・R・バロウズとR・カミングスに傾倒して、作家の道を志したとのこと。
ハインラインやル・グィンに並ぶほどの人気があり、2005年に亡くなるまで、アメリカSF界の女流の最長老作家の地位にあったといえます。

ベストセラー作家と呼ばれているのに、ジュブナイルの分野において活躍しすぎたためか、日本では注目を集めたことがありません。邦訳版は「ウィッチ・ワールド」シリーズや「ゼロ・ストーン」などいくつかはあるのですが、本国アメリカで発表された300を超える作品数には遠く及ばないという残念な現状です。

しかし米国では、ノートンはファンから熱狂的に愛された有能な作家の中の作家である、という評価を得ています。
「ニューウェーヴとセックス描写を嫌い、"堅固なプロットとモラルをもつ伝統的な語り手"をめざした」「時代とともにSFの潮流が大きく変わりつつあることを認めながらも確固たる信念をつらぬき通そうとした」(小宮卓:『魔法世界を預言する豊饒巫女アンドレ・ノートン』より引用)

 

サイエンスよりはファンタジーに惹かれたというノートンは、ソフトSFの代表的な書き手であり、人類学、民間伝承、歴史、考古学などの知識を駆使し、独特な神話体系に培われた作家だといえます。

機械嫌いである一方、その著書の多くに猫が登場することからうかがえるように、無類の猫好きであったことは有名です。

▼共著者:P.M グリフィン  P.M Gliffin  
:シャーウッド・スミス  Sherwood Smith

グリフィンは1947年生まれ。スミスは それよりやや遅い1951年の生まれ。
グリフィンは5巻を、スミスは6・7巻をノートンと共同で執筆しています。ノートンとの共著は他にもあり、また、それぞれ単独の著書もありますが、両者の作品とも日本では邦訳されていないようです。

​▼訳者:小隅 黎 

本名 柴野拓美。1926年-2010年
「日本SFファンダムの父」と呼ばれた日本SF界の草分けの一人。

 

数学教諭のかたわらで、SF翻訳家・SF作家・SF研究家を「趣味」でやっているとは、生前のご本人の弁。
日本初のSF同人誌「宇宙塵」を1957年の創刊時より主宰、編集。日本のSFアマチュア活動の基礎を築き、この同人誌からは星新一をはじめ数多のSF作家、翻訳家、評論家が誕生しています。

1982年、日本のファンダムに功労のあった人物を顕彰する 柴野拓美賞が設立され、年に一度日本SF大賞の席上で受賞者が発表されています。

 

著書に「北極シティーの反乱」「超人間プラスX」。また、E・E・スミスのレンズマンシリーズやラリィ・ニーヴンなどの翻訳も多数。「科学忍者隊ガッチャマン」のSF考証を担当したドクター・コズミでもあります。石ノ森章太郎氏の「サイボーグ009」で0012に誘拐されたコズミ博士は、氏の名前からとのことです。

 

<女王号>シリーズを英語で読むと、氏の翻訳の巧さをあらためて実感します。小隅氏の翻訳でなかったら、これほどこのシリーズのファンになれたか大いに疑問です。

​▼カバー・挿絵:松本 零士

本名 松本あきら。1938年-2023年

「みつばちの冒険」でデビュー。漫画家としてはもちろん、アニメ「宇宙戦艦ヤマト」のキャラクターや特徴あるメカのデザイナーとして、また、幻想的な美女のイラストで知られています。 

<女王号>シリーズが刊行された1970年代、C.L.ムーアのノースウェスト・スミスシリーズの表紙はSFファンの目をひきました。特に「シャンブロウ」の挿絵は秀逸といわれています。

 

美女こそ登場しないものの、宇宙にまだ開拓の余地のある時代を描いた<女王号>シリーズの挿絵は、ストーリーと共に多くの読者を魅了したはずで、2005年秋に刊行された「大宇宙の墓場」の復刻版は、当時の装丁・イラストがそのまま使われています。 

 

猫の「ミーくん」は、「トリさん」とともに作品に登場する代表的な松本キャラですが、<女王号>シリーズにおいて、同じトラジマの猫であるシンバッドが活躍するということに、猫好きのノートン女史とのちょっとした縁を感じます。

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